サーバの乗り換えにあたって、ドメインを移管し諸々の設定を完了したあとでDNSの切り替えを行います。
そのほとんどはWISESIPSで行いますが、
お使いいただいているメールソフトの設定変更に関しては、
お客様にて行って頂く必要があります。
そのために実際どの様なことがおこるのかについて、
理解していただく必要がありますので、ここで説明しておきます。
説明にあたって、サーバの役割などをできるだけ分かりやすくするために、
細々とした部分の説明を省きました。
より詳しい事を知りたければ専門の書籍をご参考下さい。
ドメイン切替時にどの様なことが起こるのか †
そもそもドメインとかDNSって何? †
ドメイン(domain)とは領域,区域と訳される英語です。
事業ドメインなどという呼び方で事業(守備)範囲と訳されることがあります。
ネットの世界では、例えば弊社を例に出して書くと、
ホームページアドレス
http://www.wisesips.com/
メールアドレス
info@wisesips.com
の中で使われている「wisesips.com」の部分がそれに当たります。
ドメインはインターネットやメールを使っていれば
日々接している情報ですので割と分かりやすいのですが、
DNSとは何か?を説明するのはもうすこし複雑です。
その説明のために、弊社ホームページを閲覧する場合を例にします。
例えばネットで弊社のサイトを見る場合に、PCや携帯などの閲覧用端末は
http://www.wisesips.com/
を見たいというリクエストを出します。
その結果、データが送り返されてくるためにサイトを見ることが出来ます。
これをもうちょっと詳しく書くと、下記の図のように、
http://www.wisesips.com/
というホームページアドレスを、
123.456.789.XXX
という住所(IPアドレス)に変換してから、そのサーバに読みに行き、
データを送り返してもらうことでページが参照できるという流れに成ってます。
「http://www.wisesips.com/」→「123.456.789.XXX」
という変換を行なっているサーバがDNSという仕組みです。
イメージとしては「電話帳」のような役割を行っています。
DNSシステムの切り替えとは? †
新サービスへの乗り換えに当たり、
新しいサーバに切り替えるタイミングで、DNSの切り替えを行いますが、
実際に行うのは上記の図で、
「http://www.wisesips.com/」→「123.456.789.XXX」
と変換されている部分を別の住所(IPアドレス)に書き換えるという作業です。
世の中に電話帳の役割をするDNSサーバが1台だけであれば、
この切替をした瞬間から新しいサーバへすべての接続が切り替わるので、
大きな問題は起こらないのですが、現実には一つのDNSサーバ(電話帳)に
大量のリクエストが来ると、サーバが停止してしまうので、
負荷分散のために沢山の電話帳が存在します。
DNSの切り替えが申請されると、個々の電話帳が伝言ゲームを行い、
切り替え状況を伝播していくという仕組みになっています。
この伝播にかかる時間ですが、
W3C(World Wide Web Consortium = ネットの重要なことを決めている団体のこと)が言うには、
完全に伝播するまでに1週間程度かかるとしています。
ワイズシップスで今まで作業した経験則的には、
24時間程度でほぼ切り替わり、遅くても48時間もかからずに
切り替わっているように感じますが、
お偉いさんの言うことですので一応1週間程度は何か有っても
対応できるようにして置かなければなりません。
DNS切替時にしなければならないこと †
さて、この切り替え作業をしてから1週間程度の時間に関して、
古い情報が載った電話帳と、
新しい情報が載った電話帳との両方が存在するという状況になりますので、
例えば弊社のホームページを見たときに、
ある人は新しいページを見ているが、
別の人からは古いページが見えているという状況が発生してしまいます。
これに対応するため、よくやるのは古いサーバに来たリクエストを、
強制的に新しいページに転送させるような処理であったり、
あるいは新旧両方のWebサーバに同じコンテンツを載せておきます。
Webサイトのページに対するリクエストであれば
このような処理を行うことで、特に大きな問題は起こりません。
ですがメールに関しては、
ある人から送られたメールは古いサーバに届き、
又ある人から送られたメールは新しいサーバに届くという状況になるため、
お使いのメールソフトに新旧両方のメールサーバに
メールを取りに行くという処理が必要になります。
具体的には次の3ステップです。
ステップ1 古いメールサーバへの接続の設定変更 †
まず古いサーバへの接続に関して、
送信サーバや受信サーバを指定している部分に
ドメインが使われていないか確認します。
弊社のドメインwisesips.comを例に出して記述しますと、
多くのメールサーバの場合、
smtp.wisesips.com(送信サーバ)やpop.wisesips.com(受信サーバ)のように、
ドメインを使った形でサーバの指定を行っています。
このドメインで指定してある部分を、
旧サーバのIPアドレスに書き換えてあげることで、
DNSの切り替えがあっても影響されずに古いサーバに読みに行くように設定変更を行います。
ステップ2 新しいメールサーバへの接続設定 †
次に、新しいメールサーバへの接続を設定します。
基本的に新しいサーバには、旧サーバと同じアカウントを弊社にて設定しますので、
お渡しするサーバ情報に書かれた内容を
お使いのメールソフトに設定してください。
設定方法はメーラー(メールソフト)の設定方法も参考にしてください。
ステップ3 旧サーバ情報の削除 †
DNS切り替えから1週間以上経つと、
旧サーバの情報を保持しておかなくても良いように成ります。
基本的には旧サーバはコスト削減のために解約しますので、
将来的には使えなくなり、エラーが出るように成ります。
アカウントの削除の作業をお願いします。